吊橋の保守点検
ワイヤロープ健全性診断
吊橋の安全性をシステマチックに評価
当社の「健全性診断」は、ワイヤロープの用途や使用環境に応じて腐食、断線、張力を独自のシステムで測定し、データを分析して劣化の度合を正確に評価。安全上の問題点を抽出し、必要なメンテナンスを施します。
吊橋の機能と安全性維持のために「健全性診断」をぜひお役立てください。
(写真:ハンガーロープの腐食測定)
腐食測定
全磁束法による腐食測定の原理
全磁束法とは、ロープ内を通る磁束(全磁束)の測定値で腐食などによる欠損断面積を評価する方法です。右図のようにワイヤロープを軸方向に飽和磁化させたとき、ワイヤロープ内を通る磁束(φ)はワイヤロープの断面積(S)に比例します。健全な状態の断面積(S)に対して腐食部の断面積がS’の場合、減少した量(S−S’)が欠損した断面積であり、これは両者の磁束の差(φ−φ’)に比例します。腐食によって発生した赤錆は非磁性体のため、腐食部は断面積欠損とみなすことができます。したがって、全磁束法を用いることによりワイヤロープの腐食・摩耗による断面欠損を定量的に測定でき、ロープの健全性を評価できることになります。
張力測定
ワイヤロープは吊構造物の引張材をはじめ、ステイ索やエレベータなど多数本で使用されることがあります。これらの用途において重要なのが張力管理です。当社では張力導入時の測定はもちろんのこと、安全性の維持に欠かせない張力の定期測定を高い精度で行っています。
振動法による張力測定
ロープに加速度センサーを取り付け、ロープを加振します。その時の共振振動数(1次)を加速度センサーおよびFFTアナライザーで測定します。
(写真:振動法加速度センサ)
3点ロール法による張力測定
ロープに3点ロール装置を取り付け、中央を押し込みます。押し込み力と押し込み量は比例しますが、その関係はロープ張力に依存します。この原理を用いて張力を算出します。
(写真:3点ロール法による測定例)